―― “合わせ味噌” では響かない、応募者視点の情報設計
INDEX
1 はじめに:一律フォーマットが招く「誰の心にも刺さらない病」
採用ページを開いた瞬間、開発も営業もコーポレートも同じ見出し・同じ順序で並び、待遇表と応募ボタンが共用――そんな構成をよく目にします。運用は楽ですが、求職者の興味は職種ごとにまったく違います。
・エンジニアは 「技術スタック・評価制度・開発文化」 を3大関心事とし、
・セールスは 「報酬テーブル・商材優位性・案件ソース」 をまず探し、
・コーポレート職は 「裁量範囲・柔軟な働き方・成長支援」 を重視する。
同じページに並列すると最重要情報が深い階層へ押し込まれ、スクロール中に熱量が冷めて離脱する――この損失を繰り返さないために、職種別に情報を“切り分けて届ける” 思考が不可欠です。
2 なぜ「分ける」だけで応募意欲が上がるのか
1.心理的距離が縮まる
自分専用に書かれている」と感じた瞬間、人は読むモードになる。共感導入にかかる時間が短縮され、離脱が減る。
2.疑問を“同じページ内”で即解決できる
クリックで他のタブやページへ遷移させず、スクロールだけで知りたい順に遭遇する導線は、熱が冷める隙を与えない。
3.行動が明確に定義される
ページの終わりにあるCTAは「あなたの次の一歩」にダイレクトリンク。情報過多で迷う余地がなくなる。

3 情報ニーズを軸にした3タイプ分類
3‑1 プロダクト主軸型(エンジニア・デザイナーなど)
・知りたいこと:技術選定理由、チーム構成、レビュー文化
・届ける順序:使命→技術→権限→評価→要件
3‑2 成果主軸型(セールス・マーケなど)
・知りたいこと:商材の勝ち筋、報酬モデル、育成ライン
・届ける順序:市場ポジション→成功事例→インセンティブ→キャリア道筋→要件
3‑3 環境主軸型(コーポレート・サポートなど)
・知りたいこと:働き方柔軟度、サポート体制、横串連携
・届ける順序:組織文化→裁量範囲→サポート制度→人の雰囲気→要件
分類のポイントは、最初の15秒で「これは自分のためのページだ」と実感させることが重要です。職種ごとのコンテンツ優先度を間違えると、せっかくページを分けても意味が薄れる。
職種別ページを設計するときのコツ
・先頭キャッチコピーは “職種×ミッション” を8〜10語で言い切る
・中盤までは “事実” より “体験” を語る(1日の流れ・課題の手触り)
・具体数字は 3つだけ に絞り、記憶に残るインパクトを優先
・CTAは 「応募」だけでなく “カジュアル面談” を並列で置きハードルを下げる
4 採用ブランドを強くする「分け方」4原則
1.コンテンツ深度を合わせる
エンジニア向けにソースコード断片まで載せるなら、セールス向けには案件構造図まで見せる。深度が職種間で揃わないと「片方の職種への本気度が低い」と受け取られ、ブランドの一貫性が損なわれる。
2.語り手を変える
技術ページはTech Lead、セールスページはハイパフォーマー社員、バックオフィスは人事責任者など、語り部と読者を近づけることで説得力が跳ね上がる。
3.世界観だけは統一する
色、書体、写真トーンはサイト全体のブランディングガイドに従う。分けたページが“別会社”に見えないよう、一貫コピーや共通タグラインで束ねる。
4.更新頻度を均一化する
片方だけニュースが古いと「需要がない?」と勘ぐられる。四半期に一度は各ページを見直し、社員インタビューや数値を揃えて刷新する。
5 数字で示す:分けるとこう変わる
実装後に追うべきKPIは 応募到達率/滞在時間/縦スクロール完読率 の3つ。このうち応募到達率が+3pt、完読率が+15pt 伸びていれば情報設計がフィットしているサインです。一方、滞在時間が極端に延びたのに応募が伸びない場合は “読むだけで満足” の罠。CTA文言と配置を即テコ入れしましょう。
応募到達率が頭打ちになったら試すこと
・ページ冒頭に 30秒動画(職種紹介)を埋め込み、文より映像で温度を上げる
・CTA直前に 「応募完了まで2分」 のマイクロコピーで所要時間を明示
・FAQを縮め “もっと詳しく” ボタンに折りたたむ――スクロール疲労を防止
6 おわりに:情報粒度で“この会社で働く自分”をリアルにする
求人は情報戦です。応募者は「自分が活躍し、輝いている未来」を思い描けた瞬間にフォームを開きます。職種別にページを分けることは、その未来像を視覚とストーリーで即座に提示する舞台装置を整える行為に他なりません。
まずは現在の採用ページを開き、エンジニア志望の友人、営業志望の同僚それぞれに「どの情報が足りない?」と尋ねてみてください。返ってきたギャップこそ、分割設計の起点になります。
適切に切り分けられた情報は、ただ並んでいるだけで応募者を選び、熱を高め、フォームへ導きます。ページがリクルーターとして機能する――その体験を、ぜひ味わってみてください。
職種別にページを分けるのは効果絶大ですが、コンテンツ作成や運用の工数がネックになりがちです。私たちにお任せいただければ、必要な情報整理や社員インタビューの代行、さらにはページ制作の進行管理まで、貴社の負担を最小限に抑えながら求人ページを最高品質に引き上げます。「どこから手を付けていいか分からない」という初期段階のご相談でも全く問題ありません。採用成功に向けた第一歩を、ぜひ一緒に踏み出しましょう。ご連絡をお待ちしております!
商藝舎の視点
採用活動を成功させる秘訣は、「相手に合わせる」という姿勢に尽きます。この職種別のアプローチは、まさにその姿勢をWeb上で表現する最善の方法です。ページが分かれることで手間は増えますが、その手間こそが「貴社で働く魅力」をリアルに伝える最大の投資になります。この記事の内容が、より多くの優秀な人材との出会いを生むきっかけとなれば幸いです。


