COLUMN

売ることより、伝えること。──共感から始まるマーケティング。

どれだけ優れた商品でも、「伝わっていない」ことは多いものです。
数字や広告の先にあるのは、人の心。
心を動かすのは、価格でも広告でもなく、“想いの温度”です。
この温度が、共感を生み、共感がブランドを育てていく。
私たちは、そう信じています。

「売るため」から「伝えるため」へ

マーケティングという言葉には、どこか“売るための仕組みづくり”という印象があります。
けれど、地域の中でブランドを育てていくときに本当に大切なのは、「伝える力」です。

伝えるとは、自分たちの想いや価値を、相手の立場で届けること。
売り込むのではなく、「この人たちは何を大切にしているのか」を感じてもらうことです。

たとえば、パン屋さんが「毎朝4時から焼いています」と言うのは情報ですが、
「まだ暗い空に、粉の香りが立ち上る時間が好きなんです」と語ると、
そこに“物語”が生まれます。
伝えるとは、そんな“人の温度”を届けることだと思います。

共感は、戦略ではなく、姿勢から生まれる

共感を得るにはどうすればいいのか。
SNSのテクニックを探す前に、まずは「どう生きたいか」「誰に喜んでもらいたいか」を見つめ直すこと。
それが、商藝舎の考えるマーケティングの原点です。

共感は、偶然ではなく、誠実な姿勢の積み重ねから生まれます。
言葉選び、写真のトーン、応対の一言。
すべてがブランドの“人格”を形づくる。
その一つひとつに、想いが宿っているかどうか。
それが、信頼を育てる唯一の道です。

「伝える」を育てる仕組みを

発信は一度で終わるものではありません。
花が咲くまでには、土を耕し、水をやり、陽を当て続ける時間が必要です。
マーケティングも同じ。
“伝える力”は、日々の小さな積み重ねの中で育っていきます。

たとえば、LINEの配信やSNSの投稿も、
「商品紹介」だけでなく「日々の想い」や「制作の裏側」を伝える場所に変えてみる。
すると、フォロワーの数字以上に、
「ちゃんと見てくれている人」が増えていくのを感じられるはずです。

共感から始まるマーケティングへ

マーケティングとは、本来“市場と人をつなぐ仕事”です。
でも私たちは、その市場を「地域」と呼び、その人を「誰かの笑顔」として見つめています。

ローカルブランドの価値は、“人の想い”が形になるところにある。
売ることより、伝えること。
その積み重ねが、やがて地域を照らす光になる。

私たちは、そんなマーケティングを、北海道から広げていきたいと思います。

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