話し手:20条小児科内科クリニック 佐藤 真梨子 様
聞き手:株式会社商藝舎 代表取締役 吉本 拡
⸻
吉本:再開院にあたって、まずマーケティング面でどんな課題を感じていましたか?
佐藤:医療としてきちんとやっていることが、うまく伝わっていない感覚がありました。
特に、若いお母さん世代には「安心できるかどうか」がとても重要なので、情報の出し方を一から見直す必要があると感じていました。

吉本:その中で、商藝舎にご相談いただいたきっかけは何だったのでしょうか。
佐藤:制作事例を見て、デザインの完成度が高かったことが大きいです。
あとは、最初の打ち合わせで「一緒に考えてくれる」という姿勢が伝わってきて、お願いしやすいと感じました。

吉本:実際に進めてみて、印象に残っている点はありますか?
佐藤:要望が多くなってしまっても、嫌な顔をせず対応してくださったことですね。
こちらの意図を汲み取りながら、「こうした方が伝わりますよ」と提案してもらえたのが心強かったです。
吉本:Webだけでなく、LINEやSNSも含めて設計しましたね。
佐藤:はい。
患者さんを「来院して終わり」ではなく、継続してつながれる関係にしていきたい、という考え方がとても腑に落ちました。

事業背景
再開院を機に、「伝え方」を根本から見直す
一度休診していた20条小児科内科クリニックは、再開院を機に「これからのクリニックのあり方」を見直す必要がありました。
看板や紹介だけに頼らず、
・Web
・SNS
・LINE
といったデジタル接点を通じて、若い子育て世代にも選ばれるクリニックを目指すプロジェクトがスタートしました。
STEP1:ブランド基盤の整理(想い・姿勢の言語化)
課題
・医療の姿勢や考え方が、言葉として整理されていない
・スタッフ間で共有できる“軸”が必要
商藝舎のアプローチ
・クリニックの考え方や大切にしている価値をヒアリング
・Web全体のトーン&メッセージを整理
・「安心感」「やさしさ」「信頼性」を一貫した言葉で設計
クライアントコメント
「自分たちが大切にしていることを、改めて言語化できました」

STEP2:Webサイト制作(初診前の不安を減らす設計)
課題
・初めて来院する方が不安を感じやすい
・情報が整理されておらず、伝わりにくい
商藝舎のアプローチ
・初診の方が知りたい情報を優先配置
・やさしい色味・文字設計で心理的ハードルを下げる
・スマートフォン前提のUI設計
成果
・「まだ行っていなくても安心できる」という声が増加
・Webを見て来院するケースが定着

STEP3:採用ページ制作(人材確保のための情報発信)
課題
・医療人材不足の中で、採用情報が十分に伝えられていない
・働くイメージが湧きにくい
商藝舎のアプローチ
・看護師・医療事務向けの採用ページを新設
・職場の雰囲気や考え方が伝わる構成
・求職者目線での情報整理
成果
・採用時の反応が向上
・ミスマッチの少ない応募につながる

STEP4:SNS設計・運用支援(信頼の積み重ね)
課題
・何を発信すれば良いか分からない
・継続的な運用が負担になりやすい
商藝舎のアプローチ
・投稿テーマ・トーンの整理
・文章作成サポートによる運用負荷軽減
・「クリニックの人柄」が伝わる内容設計
成果
・SNSをきっかけにした来院・認知が増加
・公式感・信頼感の向上

STEP5:LINE構築
(患者との継続的な関係づくり/運営・採用まで含めた基盤整備)
課題
・来院後の接点が少なく、関係性が単発で終わりやすい
・混雑状況が分からず、来院前の不安やストレスが生まれていた
・子育て相談やカウンセリング、採用情報など
「伝えたい情報」が点在しており、受け皿がなかった
商藝舎のアプローチ
・LINE公式アカウントを単なる連絡手段ではなく「クリニックのハブ」 として設計
・混雑状況がLINE上で確認できる仕組みを整備し、 来院前の不安・待ち時間ストレスを軽減
・子育て世代に向けた情報発信に加え、心理カウンセリングの案内や募集もLINEで実施
・採用情報もLINEと連動させ、 「働く場としてのクリニックの考え方」が自然に伝わる導線を構築
・リッチメニューを活用し、患者・保護者・求職者それぞれが 欲しい情報に迷わず辿り着ける設計 を行った
成果
・混雑状況が事前に分かることで、「安心して来院できる」という声が増加
・カウンセリング募集をLINEで告知したところ、想定を上回る予約が入り、受けきれないほどの反響
・採用募集においても、LINE経由で短期間に多くの応募が集まり、情報の伝わり方の強さを実感
・単なる告知ツールではなく、 クリニックと継続的につながる“関係性の基盤” が形成された
クライアントコメント
「混雑状況がLINEで分かるのは、本当に画期的でした。患者さんの不安が減っただけでなく、私たち運営側の負担も軽くなったと感じています」
「作って終わりではなく、運用や反応を見ながら一緒に考えてくれる存在」
「要望が多くても、その背景まで汲み取って整理してもらえた」
「デザインだけでなく、“どう使われるか”“どう回るか”まで考えてくれるのが心強い」
「採用やカウンセリングなど、想定していなかったところまで効果が広がった」

プロジェクト総括
20条小児科内科クリニックでは、
Web・SNS・LINEを個別に整えるのではなく、
“安心して選ばれるクリニック体験”として一体設計しました。
商藝舎は現在も、
・情報発信
・関係性づくり
・運用改善
の視点で、継続的な伴走を行っています。