
INDEX
1 はじめに:ランディングページだけでは人は動かない
ウェビナーでもポップアップストアでも、イベント集客のハブになるのは公式ランディングページ(LP)です。ところが 「LPを作ってSNSにリンクを貼っただけ」 では、告知ツイートがタイムラインを流れ去るたび集客熱も急降下。断片的な投稿を繰り返すだけでは “面” の盛り上がりが生まれません。
本稿では Web(LP・広告・メール)とSNS(X(旧Twitter)/Instagram/LinkedIn など) を 1本のキャンペーンシナリオで束ねる 設計ガイドを紹介します。ティザー段階から当日ライブ感演出、アフターフォローまで――各チャネルが互いの火を燃え広げる仕組みを作り、告知リーチ×参加率×口コミ波及 の 3 指標を最大化しましょう。
2 なぜ一体運用が効くのか?──3つの集客ギャップ
ギャップ | 単独運用の弊害 | 一体化で得られる効果 |
---|---|---|
タイムライン断絶 | 投稿が瞬時に流れ、熱量が持続しない | LPに“続き”が常設され熱が蓄積 |
情報粒度のばらつき | SNSは断片情報、LPは長文で温度差 | 「興味→詳細→申込」が滑らか |
計測分断 | SNS指標とLP指標が別管理で改善が遅い | UTM統一で同一粒度の分析が可能になり、素早い最適化に繋がる |
SNS は「見つけてもらう場」、LP は「決断してもらう場」。両者をシームレスに繋ぐことで “見込み客の温度” を下げずにバトンリレーできます。
3 設計フレーム:3トラック × 3フェーズ
フェーズA|ティザー(T–30〜14日)
・トラック1:SNSティザー
画像1枚+「日時のみ」公開。ハッシュタグとカウントダウン絵文字で期待値を醸成。
・トラック2:LP スケルトン公開
キービジュアル+登録フォームだけを先行リリース。「詳細は随時更新」の文言でリピーターを作る。
・トラック3:メール予告
既存顧客へ優先登録を案内し、“先着特典”で早期申し込みを誘発。
フェーズB|波状投下(T–13〜3日)
・セッション内容・登壇者・特典を 日替わりで小出しにし、LP と SNS の両方を毎日更新。
・TikTok/Reels で15秒の告知動画を週2本。Twitter はスレッド形式で FAQ を整理。
フェーズC|追い込み+当日(T–2〜0日 & 当日 Live)
・リマインドメール+ SNS ストーリーズ で「あと48 時間」「残席20%」。
・当日はハッシュタグ付き実況ツイートを公式が RT、参加者のUGCを増幅。
・アフターフォロー用LPを当日夜に公開し、資料DLとアンケートへ誘導。
ミニヒント
・3フェーズ共通の ビジュアルテーマカラー を設定し“一連キャンペーン”と認識させる
・カウントダウン数字は 縦型動画とストーリーズで同時表示 すると視覚記憶が強化
4 チャネル別クリエイティブ黄金比
チャネル | 動画 : 画像 : テキスト | 1投稿の理想尺/文字 | 役割 |
---|---|---|---|
0 : 1 : 1 | 120 字 | 拡散・速報 | |
Instagram Feed | 1 : 1 : 0.5 | 動画 30 秒 | 世界観・視覚説明 |
0 : 1 : 2 | 300 字 | ビジネス文脈の説得 | |
TikTok/Reels | 1 : 0 : 0 | 15–30 秒 | エモーショナル訴求 |
メール | 0 : 1 : 3 | 350 字 | クロージング |
配信カレンダーを作り、「同一情報を異なる角度で5回伝える」設計にすると、“見たことあるけど飽きない”状態を保てます。
5 UGC(参加者投稿)を雪だるま式に増やす仕掛け
1.公式テンプレート画像を配布
参加者名を入れ替えるだけで完成する PNG/PSD を用意し投稿ハードルを下げる。
2.リポストされたら即リアクション
公式アカウントが 10 分以内に「いいね」か RT。小さな承認が投稿連鎖を起こす。
3.当日 Live ミッション
「ブース写真+ #イベント名 を投稿で限定ステッカー進呈」など行動指示+報酬を明確化。
ミニヒント
・ハッシュタグの 目安としては12文字以内。数字を混ぜると記憶定着や誤字抑制に寄与する傾向
・UGC コンテストの景品は 限定コンテンツ(背景画像・PDF)だと低コストで高反応
6 LP を“変化し続けるハブ”にする3ギミック
ギミック | 目的 | 実装コツ |
---|---|---|
プログレスバー | 登録者数や残席をリアル表示 | バックエンドの登録API(またはキャッシュ)から取得。必要に応じてGA4 Data APIはサーバーサイドで集計 |
SNS フィード埋め込み | UGC をリアルタイムで反映 | iframe より 公式ウィジェット or 公式API+キャッシュ。規約順守とレート制限対策が前提 |
ダイナミックFAQ | Twitter 質問を自動追加 | 「#質問」付き投稿をZapier経由でCMSへ(有料APIや権限設定が必要になる場合あり。運用前に接続可否と費用を確認) |
これらを使うと LP は「静的ページ」から “実況型メディア” へ生まれ変わり、再訪と滞在時間が伸びます。
7 計測・最適化サイクル:3層 KPI で漏れなく追う
1.リーチ層:インプレッション、ハッシュタグ投稿数
2.エンゲージ層:LPユニーク訪問、SNS保存&シェア率
3.コンバージョン層:登録完了、当日参加、アンケート回収
KPI | 目標ライン | 改善レバー例 |
---|---|---|
投稿インプレッション | 50,000/週 | 広告追加・インフルエンサー提携 |
LP訪問→登録率 | 15% | ヒーロー見出しの見直し+フォームの簡素化 |
登録→参加率 | 60% | 前日・当日リマインドメール |
アンケート回収率 | 40% | 回答リンクを会場QR+後追いDM |
数値が基準を下回ったフェーズを重点リライトし、翌週配信クリエイティブに反映します。
8 運用を自動化するツールスタック例
目的 | 推奨ツール | 無料枠 | キモ機能 |
---|---|---|---|
カレンダー統制 | Notion + GoogleCal | ◎ | リマインダー&担当割当 |
LP更新自動化 | Webflow / WordPress | ◎ | API連携で残席表示 |
SNS管理 | Buffer / Publer | △ | 投稿バリエーション機能や予約配信でAB運用がしやすいツール |
UGC収集 | Switchboard / Zapier | △ | タグ投稿をシート集約 |
KPI可視化 | Looker Studio + GA4 | ◎ | マルチチャネル統合 |
9 まとめ:チャネルを束ね、温度を切らさない“火起こし”戦略
キャンペーン成功の鍵は「どのチャネルが強いか」ではなく 「チャネルを交互に点火し続ける設計図があるか」 に尽きます。
・ティザーで火をつけ
・波状投下で薪をくべ
・当日ライブとUGCで炎を上げ
・アフターフォローで熾火を残す
この火起こしサイクルを支えるのが Web(LP・広告・メール)と SNS の一体運用です。テンプレとツールを整え、3フェーズ×3トラックを止まらない歯車に仕立てれば、イベント告知は“単発花火”ではなく 長く燃える焚き火 となり、認知も参加も売上も持続的に伸び続けます。次のイベントこそ、Web と SNS の境界を取り払い、炎のリレーを体験してください。
当社は、計画づくりから運用設計、LP改善、SNSクリエイティブの壁打ち、計測・KPI設計、ツール導入まで伴走いたします。まずは今のお悩みをお聞かせください。ご相談をお待ちしております。


