
INDEX
1 はじめに:比較前提の購買行動で頼りにされるのは実体験
検索結果に並ぶサービスが横並びに見えるいま、ユーザーは価格や機能をチェックした上で「実際に使った人はどう感じたのか」を確かめてから行動を決めるようになりました。
運営側が用意した説明より、同じ立場の人の体験談を優先してしまうのは自然な行動です。
ところが「ありがたいお言葉を頂きました」とだけ記載されたページでは、本当に存在するお客様かどうか判断できず、かえって不信感を生むことさえあります。そこで重要になるのが情報の見せ方と聞き方です。声そのものに手を加えるのではなく、読み手が事実を確かめやすい形で届ける工夫が信用度を押し上げます。
2 なぜ「声」が疑問を解消するのか
他者確認の原理
自分と似た利用者が肯定していると「選択ミスを回避できる」と感じやすいから。
具体例が抽象的メリットを翻訳する
「使いやすい」より「設定に5分しか掛からなかった」の方が判断しやすいから。
運営の説明と矛盾がないか検証できる
ポジティブだけでなく小さな不満も見えると「脚色していない」と受け止められるから。

3 信用度を底上げするレイアウト設計
属性→課題→結果の順でカード化
例)「製造業・従業員40名」「在庫管理に時間が掛かる」→「月20時間削減」
この並びなら読み手は自分の状況と照合しやすく、結果の数字がすぐ目に入ります。
声と CTA を交互に配置
2〜3件の事例ごとに「無料で試す」ボタンを挟むとページ離脱を防ぎ、行動に移すよう促せる。
星評価より事実データを優先
★4.8 ではなく「導入3か月で返品率−15%」のように具体値を太字で示すと説得力が増す。
日付ラベルで鮮度を表示
最新順に並べるより「2024年6月導入」など年月を明示し、内容と時期の関連がわかるようにする。
ミニヒント
写真が難しい場合は業種アイコン+イニシャルでも視覚的な存在感が出る
長文は60〜80字で要約→全文をモーダルで読みたい人だけ展開
改善点も小見出しで分けて掲載すると逆に安心感が高まる
事例数が少ないときはPDF事例集へのリンクで深い情報を補完
4 本音を引き出す5つの質問例
導入前に困っていた作業や悩みは何でしたか?
課題を本人の言葉で語ってもらうことで、読者の共感を呼びやすい。
当社サービスを選ぶ決め手になったポイントは?
自社の強みがユーザー目線の表現で抽出でき、差別化要素にも気づける。
使い始めて最初に感じた変化を数字で表すと?
時間、コスト、回数など具体値を促すと説得材料になる。/
導入後に予想外だった良い点・改善してほしい点は?
長所と短所を同時に示すことで情報のバランスが取れ、信頼度が上がる。
同じ立場の方へ伝えたいアドバイスは?
読者への一言が背中を押す〝推し文句〟となる。

5 効果を確認する見かた
お客様の声ページを改善するには、主に3つの数字で効果をチェックします。
ページ滞在時間:平均より30%長ければ読み込まれている証拠。
声ページ経由の CVR:全体 CVR と比較して +2pt 以上伸びていれば合格。
スクロール完了率:70%を目標に。途中離脱が目立つ場合は掲載順や要約方法を見直す。
チェックポイント
滞在は長いのに CV が増えない→CTA の位置や文言を最小改修
完読率が低い→最初の事例がターゲットとズレている可能性
古い声が多い→年月タグを更新し、半年以上前の内容は文末に移動
6 おわりに:声は運営の代弁者ではなくユーザーの道標
お客様の声ページの役割は、商品・サービスの良さを褒めてもらうことではなく、これから利用を検討する人が安心して踏み出せるよう導くことです。
そのために必要なのは、読み手が自分ごととして情報を拾えるレイアウトと、本音を引き出す質問設計です。数字は派手でなくても構いません。使う前と後で「少し楽になった」「ここが便利だった」と具体的に語られていれば十分に説得力を持ちます。
次の更新では、まず既存の声を属性・課題・結果の順に並べ替え、余計な装飾を削ぎ落としてみてください。読みやすさが上がれば、声の数が同じでも信用度は確実に変わります。声は集めるより活かし方が重要です。等身大の改善こそが、静かに CV を底上げする近道になります。
この「お客様の声」ページについて、「どう進めるべきか悩んでいる」「客観的な意見が欲しい」といったお悩みがあれば、ぜひ一度当社にご相談ください。お客様の声の収集から最適なレイアウトへの落とし込みまで、専門知識を持つスタッフが貴社の課題に合わせた最適なプランをご提案し、CVRの底上げをしっかりとサポートいたします。
どうぞお気軽にご連絡ください、ご相談をお待ちしております。


