COLUMN

ブランドボイスを整えるだけでサイトとSNSが一気に統一感アップ

1 はじめに:文字は見えないロゴ、声は読めないカラー

ロゴや配色ほど注目されにくいものの、ブランドボイス(語り口・文体・声色)はユーザー体験を左右する不可視のデザインです。トップページは丁寧語なのにX(旧Twitter)はスラング混じり、メルマガは硬派なのにLINEは絵文字だらけ――そんな“声の統一感不足”は、デザインのバラつき以上にブランド信頼を損ねます。逆に言葉のトーンが揃えば、ユーザーはサイトでもSNSでも「同じ人が話している」と感じ、自然と情報を受け取りやすくなります。つまりブランドボイスはロゴと並ぶアイデンティティ要素。整えるだけで多チャンネルの印象を一本化し、CVRやリピート率にまで波及します。

2 ブランドボイスがもたらす3つの効果

効果具体的なメリット補足
認知統一サイト→SNS→広告の文体が連動し、ユーザーが“同じブランド”と瞬時に判断ロゴより早く気付かれるケースも
感情移入誘導一貫した語り口は擬似的な対人関係を構築しやすく、LTV(顧客生産価値)が伸びるキャラクター性が強いほど効果大
運用効率化ライターやCS担当が迷わず執筆でき、レビュー工程を短縮外注先でも品質ぶれが激減

ブランドボイスは「何を言うか」だけでなく「どう言うか」を標準化し、ユーザーの脳内に“声”を届ける仕組みです。

3 統一ボイスを設計する5ステップ

1.ブランド人格を言語化する

わずか3語で「フレンドリー/誠実/プロフェッショナル」など性格タグを選定。タグが多すぎると声がブレるため最多5語までに絞る。

2.トーンスケールを数値化

敬語度やユーモア度を1〜5段階でマトリクス化。たとえば「敬語=4/ユーモア=2」で“丁寧だけど硬すぎない”ニュアンスを定義。

3.文体ガイドを作成

・語尾パターン(です/ます、体言止め)
・一人称(当社/わたしたち)
・記号・絵文字の可否
・カタカナ語の日本語置換例
をA4一枚にまとめ、社内外の執筆者へ共有。

4.チャンネル別適用ルール

サイトは敬語4×ユーモア2、Twitterは敬語3×ユーモア3、TikTokは敬語2×ユーモア4……のように“同一人格の場面違い”として調整。

5.レビューフローとフィードバック

初稿→編集→音読チェック→校閲、の4段階で口調のズレを点検。音読は“声”の一貫性を確かめる最短手法。

ミニヒント

・NGワードリストとOKワードリストを併記すると判断スピードが倍に
・ペルソナ名を擬人化(例:相談上手な先輩“彩花さん”)するとライター間でイメージを共有しやすい

4 「同じ声で話す」ための運用テクニック

1.マイクロコピーの統一

ボタン文やエラーメッセージは最も露出頻度が高い。決済画面の「今すぐ購入する」をSNS広告の「今すぐ体験」へ合わせ、言い回しを統一する。

2.返信テンプレートの整備

SNSリプライやカスタマーサポートメールにテンプレを用意し、語尾・敬称・絵文字使用ルールを固定。長文より2〜3文×改行が視認性◎。

3.AIアシストでボイス確認

ChatGPT等の文章トーン診断を活用し、「トーン偏差値」を評価。数値が基準を外れた場合は修正指示を戻すと高速化。

5 効果測定:言葉の統一が数字に効いたか確かめる

指標目的成功ライン
SNSエンゲージ率同一人格として認知されたか投稿平均+0.5pt
ブランド指名検索数名前想起の向上月次+8%
CSAT/NPSコメントの形容詞一致率ユーザーの感じたイメージが設計どおりか類義語含め一致70%
チェックポイント

・指名検索が伸びてもCVが伸びない→サイトのCTAコピーが古いトーンのまま
・NPSコメントに「硬い」「軽い」が混在→媒体別トーン差が大きすぎる

6 おわりに:声を揃えれば、道具も人もブランドになる

ブランドボイスはツールを統一するのではなく、人の“語り口”を揃える作業です。ガイドラインを整え、一度チームに浸透すれば、ライターが交代してもSNSが増えても統一感は崩れません。まずは「3語でブランド性格を言語化→トーンスケールを数値化」の2ステップだけでも着手をしてみてください。言葉が揃うと、サイトとSNS、メールとオフライン資料が一本のストーリーにつながり、ユーザーとの距離は驚くほど縮まります。声が整えばブランドは“生きた人格”となり、放つ言葉すべてが資産になる――その効果をぜひ体感してみてください。

ブランドボイスの統一は、企業の信頼感を高め、ユーザーとの距離を縮めるための重要な施策です。当社では、ブランドボイスの設計から運用まで、貴社に最適なプランをご提案いたします。もし「自社のブランドボイスを統一した方がいいのか?」とお悩みでしたら、ぜひ一度ご相談ください。経験豊富なスタッフが、丁寧にサポートいたします。お問い合わせお待ちしております。

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